知らなきゃヤバイ!五領域保育ってなに?
2018.04.04
五領域保育という言葉を知っていますか?
質の高い保育士になるためには必要な知識なので、知らないという方はぜひ覚えてください。
ここでは五領域保育について詳しくご紹介します。
五領域保育とは
子どもには小学校に上がるまでに身につけておかなければならないことがたくさんあります。これは今後の人生に必要な力の基礎の部分にあたります。つまり保育園では子どもに生きる力の基礎を身に付けさせなければなりません。
この基礎を身に付けさせる方法として五領域保育という考え方があります。五領域とは子どもに教えなければならない内容を以下の5つの領域に分類したものです。
- 健康
- 人間関係
- 環境
- 言葉
- 表現
どれか1つに重点をおくのではなく、これらの五領域を組み合わせて行う保育が理想的だと言われています。
各領域で何を教える?
それぞれの領域でどのようなことを教えなければならないのかお話しします。
領域①「健康」
「健康」は子供たちが健やかに育つためにはどうすればよいのかを教えます。ここで言う「健康」とは体だけでなく心も健康に育つことを指しています。
身に付けさせなければならないのは基本的な生活習慣です。着替えや食事など生活に欠かせないことを教えるのはもちろん、生活リズムを整えること、運動が健康に大切なことなど幅広い知識をつけさせます。
子供たちが安全で健康的に生活を過ごすための方法を実際に体験させながら教えてあげてください。
領域②「人間関係」
「人間関係」は今後の人生の中で出会った人たちとどのように関わっていくか、どのようにコミュニケーションをとっていくのかを学ばせます。とはいっても幼児期は上手にコミュニケーションをとれる子どもは少ないです。
教えなければならないことは自分の考え・思いをどのように伝えればよいか、周囲の人たちと仲良く支え合うにはどうすればよいかなどが挙げられます。大人ですらなかなかうまくいかないことが多いですから、五領域の中では難しい領域になるでしょう。
保育園では一緒に遊んだり、けんかをしたりと子供たち同士で触れ合う機会が多いです。それぞれの場面で正しいこと、やってはいけないことを教えてあげましょう。例えば「〇〇くんが遊んでるおもちゃで遊びたい!」と園児に言われたら、園児自身で「おもちゃ貸して」と言えるように促す、といった流れです。保育士がコミュニケーションを取れるよう促してあげましょう。
領域③「環境」
「環境」とは周囲の環境への興味・関心や思考力を身に付けさせます。環境といってもいろいろな種類があり、部屋の模様や置いてあるおもちゃなどの「物理的な環境」、園児同士や保育士などとの関わりの「人的な環境」、春夏秋冬や気温の変化などの「自然環境」などが代表的です。
人は必ずしも同じ環境で過ごすわけではありません。特に子供のうちは小学校、中学校、高校と上がっていき、クラス替えなども含めると環境の変化が多いです。現在の環境に対してどのように考え対応するのか、環境が変わった時にどうするかなどを保育園のうちに身に着けさせなければならないのです。
方法としては少しでも多くの環境に触れさせることです。いつも同じ場所で遊んでいる子供がいたら違う場所へ連れ出してあげる、お散歩の時には「色んな種類のお花が咲いているね。数えてみよう!」のように周囲の環境に目を向けるよう促す、などできる限り多くの環境で色々なことを感じさせると良いでしょう。
領域④「言葉」
「言葉」ではいきていく上で必要な言語能力を身に着けさせます。自分から話す力だけでなく、相手の話を聞いて理解することや言葉の豊かさも含まれています。
3歳くらいになると子供たちは言葉によるコミュニケーションが上手になります。しかしまだまだ言葉の引き出しは少ないですし、相手の言葉への理解力も少ないです。保育園で新しい言葉や感受性を身につけさせなければなりません。
たとえば絵本の読み聞かせでは意味が分からない言葉を教えたり、主人公の気持ちについて一緒に考えたりすることで言葉に対する理解が深まります。
特に子どもは「聞くこと」が苦手です。なにかと発言したくなってしまうので、「今は先生のお話を聞いてね」と保育士の聞いて欲しいという意図を言葉で伝えると良いでしょう。
領域⑤「表現」
「表現」は豊かな表現力や感性を育み、想像する力を身に付けさせます。芸術的なセンスや表現する楽しさを教えるのですが、これもなかなか身に着けさせることが難しい領域です。
代表的な表現活動としては「粘土遊び」「楽器」などがあります。保育園でもよく遊んでいる子どもがいると思いますが、何かを作り上げようとしているだけで表現力は高まります。「それ、何作ってるの?」と声がけしてあげるだけで完成を目指して頑張ってくれますよ。
また、保育園の発表会で行う合唱や劇なども表現力の向上につながります。大勢で何かを作り上げるという行為は表現の楽しさ・達成感につながるので、全員が積極的に参加できるようにしましょう。