保育士の初任給はどれくらい?上げるための方法は?
2017.08.07
就職先を選ぶときの基準は様々ですが、「初任給」は非常に大事な項目です。
働く上で給料は大事ですし、初年度の給料が高ければ高いほど将来への期待も大きいですよね。
世間では保育士の給料が低いことがよく話題に上がっています。
ここではそんな保育士の初任給について詳しく説明していきます。
保育士の初任給の現状とは
まずは保育士の初任給の現状について把握しましょう。
一般的な初年度の給与の平均や内訳についてお話します。
保育士の初任給の平均
一般的な平均は16万円~17万円程度です。一般企業の平均が21万円程度なので大きな差があることがわかります。
年金や保険にかかる費用が3万円程度なので、手取りは13万円~14万円ほどしか残らないでしょう。
こう考えると初年度の生活は相当厳しそうですね。
公立と私立の違い
公立の保育施設で働いている人を公立保育士、私立の保育施設で働いている人を私立保育士と呼びます。
公立であろうと私立であろうと初任給はあまり変わりません。
しかし、将来的に給料アップを見込めるのは公立保育施設です。
初年度の給料は比較できませんが、給料の面から考えるのであれば公立保育施設がおすすめです。
昇給について
話が少しそれますが、気になる昇給についても触れておきましょう。
前項と重複しますが、公立保育施設のほうが私立保育施設よりも昇給が見込めます。
しかし、堅実に少しずつ上っていきますし、元々の給料が低いので高給与はあまり期待できません。
保育士の初任給の内訳
給料の内訳は以下のようになります。
- 基本給(毎月支払われる基本賃金)
- 調整手当(残業手当などはここに含まれる)
- 特殊業務手当(行事の準備など特殊業務が発生したときに支払われる手当)
- 通勤手当(電車やバスなどの通勤にかかる費用を負担する手当)
- 住宅手当(家賃補助)
他にも役職手当などはありますが、主任や園長向けの手当なので初任者の場合はあまり関係ないでしょう。
また、保育士は給与が低いかわりに高額な住宅手当が出ることが多いので、生活していく上では非常にありがたいですね。
なぜ保育士の初任給は低いのか
そもそもどうして保育士の初任給は低いのでしょうか。
その理由についてお話します。
高い保育料を設定できない
保育施設の運営費は国や自治体からの補助金と子どもを預ける保護者から支払われる保育料で賄われています。
補助金は最低限の金額しか付与されないですし、あくまで補助金なのでそこまで期待できません。
また、保育料は基準が定められているため、高い保育料を勝手に設定することができないのです。
よって保育施設の経営状況は厳しく、保育士に十分な給料が支払えないことが多いのです。
保育の質の高さが要求される
保育施設では子どもの人数に対応して必要な保育士の最低人数が決まっているのですが、これは施設を運営するためのギリギリのラインであるため、十分な人員が必ず確保されているわけではありません。
また、以前にも増して保育の現場では質を要求されるようになりました。
質の高い保育を提供するためにはそれなりの人数の職員が必要ですよね。職員が増えればそれだけ支払う給料も増え、経営状況を悪化させてしまいます。
施設を運営していくために保育士の給料は削られているのです。
保育士の初任給を上げるには
初年度の給料は少しでも高いほうが良いですよね。
保育士の初任給を上げる方法についてご紹介します。
保育士資格は大学で取得する
資格の取得方法は短大、専門学校に通ってカリキュラムを修了する方法、保育士試験に合格することなど様々ありますが、給与の面を考えるならば4年制大学に通ったほうが良いでしょう。
同じ資格でも大学卒か短大・専門学校卒かによって初任給はおよそ2万円違います。手取りにすると多ければ3万円ほどの差が生まれてしまいます。
試験合格で資格を取得する場合は保育に関係していなくても良いので大学を卒業しておくとプラスになります。
待遇の良い保育施設を狙う
待遇の良い保育施設は初任給も高めに設定されている場合が多いです。
おすすめは「院内・企業内保育室」です。病院や企業で働く保護者が子どもを預けるための保育室なのですが、病院や企業が運営しているため待遇が良い場合が多いです。
給料自体が高めに設定されているので初年度の給料も高いことが期待できます。
初任給よりも昇給を狙う
残念ながら初任給の額を上げる方法はあまりありません。むしろ給料の面を考えるならば着目すべきは「昇給」です。初年度の給料には目をつむり将来的な給料アップを見据えるのも1つの方法です。
昇給しやすい施設を狙うには、前述したように私立保育施設よりも公立保育施設に就職するのが良いでしょう。
初任給を重視しすぎない
保育士に限った話ではありませんが、初任給にこだわりすぎるのはよくありません。
あくまで1年目の話ですし、長い目で考えれば決して得策とはいえません。
給料が今後どれくらい上がっていくのかなどを考えて就職先を選びましょう。