保育士求人の倍率は?転職者に有利?
2017.09.22
保育士の人材が不足していることがメディアで取り上げられることは多いですよね。保育業界の大きな課題として国全体で改善に向けた取り組みが行われていますが、未だに解決には至っていません。
しかし、人材不足であるということは転職しやすい売り手市場であるということでもあります。
ここでは保育士の転職に大きく関わる求人の倍率について詳しくお話します。
保育士の有効求人倍率
有効求人倍率とは求人数を求職者数で割った数値のことです。
保育士を例にすると、職員が足りておらず募集を出している保育園の数を就職・転職したい保育士の人数で割った数値を指します。
つまり、この数値が高ければ高いほど転職において有利な状況、そして人材不足になっているということになります。
全国平均1.85倍
平成27年9月の時点で保育士の有効求人倍率の全国平均は1.85倍です。1人の求職者に対して1.85個の募集があることになります。
転職者にとっては相当選択肢が多いことになり有利であることがわかりますね。
他業界と比較してもこの数値は非常に高く、保育業界の人材不足を物語っています。
ほとんどの都道府県で1倍以上
保育士の有効求人倍率は、日本の都道府県の9割以上で1倍以上という結果になっています。東京のような極端に人材不足な地域もありますが、日本全国で保育士は不足しているようです。
よって一般的に困難とされる地方の転職においても保育士は有利です。
夫の転勤など突然の引っ越しでも容易に転職ができることが予想されます。
半数以上が勤務年数5年未満
保育士の半分以上が5年未満で転職または退職してしまうというデータがあります。
待遇の悪さや業務の辛さから「辞めたい」と感じてしまう人が少なくないようです。
また、保育士の大半は女性であるため、結婚や出産といったタイミングで退職を余儀なくされるケースも多いことも勤務年数が短い要因です。
保育士の求人倍率が高い原因とは
全国平均1.85倍という値になってしまったのはいったいなぜなのでしょうか。
保育士の有効求人倍率が高い原因についてお話します。
有資格者の半数以上が保育士にならない
保育士資格を持つ人の半数以上が保育士として就業していません。様々な事情で資格を有しているにもかかわらず別な職業として働くことを選択しています。
資格を有していても就業していない人は「潜在保育士」と呼ばれ、国や地域がこの潜在保育士を確保することに尽力しています。
また、保育士の資格は国家資格の中では比較的容易に取得できるため、取得することをゴールにおいてしまっている人もいると考えられます。
責任の重さから退職してしまう
保育士の仕事は子どもの面倒をみるといった簡単なものではありません。
他人の子どもを預かるということは命を預かるということですので、それだけ大きな責任がついて回ります。
想像以上の責任の重さに耐えられなくなり不安が募った挙句退職してしまうという人が多いです。
時間が合わずに再就職できない
子育てが落ち着いてきたら再就職するという女性も多いですよね。保育士は子育て経験を活かせる仕事であるため、特にこの流れで再就職する人が多いです。
しかし、就業時間の折り合いがつかずに再就職を諦めてしまう人も少なくありません。
また、再就職するまでのブランクを不安に感じる人も多く、今後は再就職者を受け入れやすい態勢を整えることが大事になります。
保育士の求人倍率が高い都道府県
特に有効求人倍率が高い都道府県をご紹介します。
ここで紹介されたということは転職に向いているということですので、転職先候補に加えてみてください。
東京都
日本で最も有効求人倍率が高いのは東京都で約5.7倍です。人口が多い地域ということもあり、かなり高い値となっています。
転職においては非常に有利なのですが、人材が不足しすぎていて転職後の業務負担が大きくなってしまう危険も高いです。
ただし東京は高給与の傾向があるので高い給料の職場への転職を目指すならばおすすめの地域です。
広島県
広島県の有効求人倍率は約3.8倍です。東京都には劣りますが、全国平均と比較しても高い水準です。
3倍を超えている地域は日本でほとんどなく、関東地方以外では広島のみです。
人材不足は関東に限った話ではないようですね。
沖縄
意外かもしれませんが沖縄の有効求人倍率は約2.9倍と非常に高めです。
沖縄は県外に転職する人がいても感慨から転職してくる人が少ないため人材が不足しています。
沖縄に憧れを抱いている人は転職を検討してみても良いでしょう。
保育士は日本全国で転職できる!
有効求人倍率が非常に高い保育士は場所を問わずに転職のチャンスがあります。特に関東圏は倍率が高いため、転職先は無限にあります。
職を失ってしまうリスクも少ないため、積極的に転職することをおすすめします。
だからといって必ず成功するというわけではないのでどこに転職するとしても準備は怠らないでくださいね。