保育士がキャリアアップするために!マネジメント・役立つ資格など解説
2017.08.03
働く人の長期目標として昇進がありますよね。長期間の勤務で経験やスキルを身につけて昇進していくというのは自然な流れです。
それは保育士にも同じことが言えます。保育士は給料が低い職業なので昇進して給料アップを狙う人が多いです。
しかし、キャリアアップするためには研修を受けたり資格を取得したりなどより高い技能を身につけなければなりません。
ここでは保育士がキャリアアップを狙うために何をしなければならないのかについてお話します。
保育士のキャリアアップ研修とは
保育士は研修を受けることで高い役職につくことができます。少しでも高い役職につくことで給与もアップするので、積極的に研修に参加することをおすすめします。
そんな保育士のキャリアアップ研修についてお話します。
保育士のキャリアアップ研修とは
基本的は都道府県ごとに研修が実施されています。どの都道府県で研修を修了したとしても全国で有効です。
研修にかかる時間は1分野15時間以上という決まりがあります。研修は講義形式だけでなくグループディスカッションなどがあり、リーダーとして高いスキルを身につけることが可能です。
また、研修は受講さえすれば必ず修了できるわけではなく、事後レポート等を提出させるなどして知識が定着したことが確認されて修了となります。真面目に研修を受講しないと無駄になってしまうので気をつけましょう。
専門分野別研修
専門分野の研修は以下の6つの分野に分かれていて、1分野ずつ受講することになります。
- 乳児保育
- 幼児教育
- 障害児保育
- 食育・アレルギー
- 保健衛生・安全対策
- 保護者支援・子育て支援
どれも保育士として身に付けておきたい専門知識ばかりです。それぞれの分野においてリーダー的な役割を持つ保育士であれば研修を受講することが可能です。
保育実践演習
保育実践研修は実務経験の少ない保育士を対象にしています。実践的な保育を学ぶことができるので、新任やブランクのある保育士はぜひとも受講しておきたい研修です。
マネジメント研修
マネジメント研修は主任や園長を目指す人を対象にしています。保育園を担っていくことができるマネジメントやリーダーシップ、人材育成などを学びます。
主任や園長を目指すのであれば早めに受講しておきましょう。
保育士の役職とキャリアアップの流れ
保育業界では保育士の待遇改善のため、「職務分野別リーダー」「専門リーダー」「副主任保育士」という3つの役職が新設されました。
更にキャリアアップすると主任、園長になることができます。
そんな保育士の役職についてキャリアアップ順にご紹介します。
職務分野別リーダー
職務分野別リーダーとは、「乳児保育リーダー」「食育・アレルギーリーダー」のように職務分野におけるリーダーのことです。
職務分野別リーダーになるための要件は以下のとおりです。
- 経験年数概ね3年以上
- 担当する職務分野の研修を修了
- 終了した研修分野に係る職務分野別リーダーとしての発令
標準規模の園で3人までなることができ、月額5千円の手当が出ます。
専門リーダー
専門リーダーとは複数の分野に精通した職務分野別リーダーのことです。
専門リーダーになるための要件は以下になります。
- 経験年数概ね7年以上
- 職務分野別リーダーを経験
- 4つ以上の分野の研修を修了
- 専門リーダーとしての発令
標準規模の園の場合、このあと説明する副主任保育士と合わせて5人までなることができ、月額4万円の手当が出ます。
副主任保育士
副主任保育士は専門リーダーに似ていますが、マネジメントを行う点が違います。副主任保育士になるための要件は以下のようになります。
- 経験年数概ね7年以上
- 職務分野別リーダーを経験
- マネジメント+3つ以上の分野の研修を修了
- 副主任保育士としての発令
標準規模の園で専門リーダーと合わせて5人まで、月額4万円の手当が受けられます。
主任保育士・園長
上記3つの役職の先には主任、そして園長があります。
役職につくまでの平均勤続年数は主任が約21年、園長が約24年です。相当な経験を積まないとここまでキャリアアップするのは難しいですね。
また、主任・園長ともに園に1人ずつ必要なので、若い保育士が多い保育園ほど主任や園長になるチャンスがあります。
保育士のキャリアアップに役立つ資格を紹介!
役職には人数制限があるので、研修を受けたからと行って必ずその役職につけるとは限りません。
そこで「資格」という武器を持っておくと同僚との差をつけることができます。
保育士のキャリアアップにつながる資格をご紹介します。
チャイルドマインダー
チャイルドマインダーとはイギリスで誕生した資格で「少人数保育に関する専門家」を意味します。
TV番組などで取り上げられることも多く、保育士に人気の資格の1つです。
集団保育の場である保育園でも少人数保育のスキルは役立ちますし、小規模保育園が注目されていることからニーズは今後も高まっていくでしょう。
講座を受講しなければならないなど取得難易度は低いとは言えませんが、キャリアアップを狙うのであればぜひともほしい資格です。
保健児童ソーシャルワーカー
保健児童ソーシャルワーカーとは、子どもたちを心理面と医療面からサポートできる資格です。
いじめや不登校などの問題を抱えた子どもの支援をするのが仕事です。
心理面の知識を持っている保育士は少ないため、現場では貴重な存在となれますし、保健児童ソーシャルワーカーは保育園に1人いると安心です。
社会福祉士
ソーシャルワーカーの国家資格であり、専門知識のカウンセリングなどで保護者の支援に役立ちます。
福祉簿記
会計や経理が得意な方にはおすすめ!社会福祉法人の会計業務に必要な知識を学ぶことができます。簿記会計、財務会計がメインです。
絵本専門士
民間資格ですが、絵本専門士は絵本に関する高度な知識と技能、感性を備えた絵本の専門家です。
保育の現場の絵本読み聞かせでも活用できるので人気の高いおすすめ資格です。ただし、難易度は高めですよ。
運動保育士
運動保育士は子どもたちの心と体を健康に育むプロです。多くの保育園では運動を保育に取り入れていますが、そこで活躍するのが運動保育士です。
運動保育士会こどもプラスが開催する講座を受講すれば資格の取得ができますよ!
キャリアアップで処遇改善になるの?
保育の仕事は重労働なのにお給料は安く苦しんでいる保育士の方も多いのではないでしょうか。
仕事内容とお給料が見合わず、このまま保育士が減ってしまったら待機児童問題も悪化して大変・・・そんなことが起こらないように、国や自治体から処遇改善のために補助金が出る地域が増えてきました。
さらに、キャリアを積んだ保育士に対して補助金を出す地域もあるのです。
キャリアアップ補助金の一例を見てみましょう。
東京の例
東京都は「保育士等キャリアアップ補助金」という仕組みを作りました。この補助金は保育園を運営する団体に交付されるので、分配方法は保育園の責任となります。
しかし、使いみちは人件費に限定されているので、保育士に補助金は分配されます。
埼玉の例
似たような制度として、埼玉県には社会福祉施設キャリアアップ事業補助金という制度があります。
社会福祉施設の職員の資格取得や技術の向上、福祉人材の定着を進めることが目的の制度です。
施設が職員の資格取得費用を負担した場合に費用の一部が支給されるので、進んで資格を取得できますね!
キャリアアップが難しいと感じたら転職を視野に
務める園や施設によっては思い通りにキャリアアップできないこともあります。
そのときは転職してしまうというのも非常に有効な手段です。
役職の空きができない職場で長く働いてもメリットは小さいです。
キャリアアップしたいから、というのは十分な転職理由になりますよ。
また、転職の際キャリアアップ研修を受けておけば大変有利になりますので、機会があったら受けていきましょうね!
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