保育士が知っておくべき認証保育園の特徴とは
2017.06.30
「認証保育園」が何なのかについてご存知でしょうか。
「認可保育園」「認可外保育園」という施設もあり、同じ意味なのか別な意味なのかよくわかりませんよね。
このページでは認証保育園がいったい何なのか、保育士の方が働くメリット・デメリットなどについてご説明します。
認証保育園の特徴
「認証」とは対象となる事柄の正当性を確認する行為の事です。
そのままの意味だと認証された正当な保育園ということになりますが、どのような保育園を指すのでしょうか。
分からない保育士の方のために、まずは認証保育園の特徴をご説明します。
認証保育園とは
認可保育園は児童福祉法に基づいて国が定めた基準をクリアして設置された保育施設を指しますが、認証保育園とは東京都が独自に定めた基準をクリアして設置された保育施設を指します。
国が定めた基準は都市での設置が困難な傾向があったため、東京の保育士や保護者のニーズにこたえるために認証保育園が生まれました。
すべての施設で0歳児の保育を行っています。
A型とB型
民間企業などが運営する駅前基本型のA型と個人やNPO法人が運営するB型に分かれていています。
A型は20~120名の規模で0歳~5歳を対象としています。
B型は6~29名の規模で0歳~2歳を対象にしています。
料金について
料金はそれぞれの施設で自由に定めることができ、認可保育園よりも高めに設定されていることが多いです。
しかし、東京都認証保育所事業実施要綱により3歳未満は80,000円、3歳以上は77,000円と上限が設定されています。
また、自治体により減額補助を受けられる場合もあります。
直接申し込む
認可保育園の場合は役所で入園の申し込みを行いますが、認証保育園は直接保育園に申し込む必要があります。
面倒に思うかもしれませんが、子どもを預ける施設や働いている保育士を実際に見ることができるので、安心して子どもを預けられます。
また、どういった保育を行っているかのサービス内容を説明してもらえるのでその保育園について詳しく知ることができます。
保育士が認証保育園で働くメリット
どのような施設なのかについて分かったところで、次は働いている保育士の方に注目しましょう。
他の施設と働き方に違いはあるのでしょうか。
認証保育園で働く保育士が働くメリットについてお話します。
少人数保育
認可施設に比べると園児数が少ないことが多く、少人数の園児を相手に保育をすることができます。
小規模な保育は大人数保育に比べてより家庭的な保育を行うことができるため、保護者からの人気も高いです。
1人ひとりと向かい合う保育がしたい人にはオススメです。
0歳児保育
0歳児の保育を行えることが義務付けられているため、入園者がいれば0歳児保育を行うことができます。
0歳児の保育経験は保育士としての大きなスキルになります。
転職することになったときにも選択肢が広がることでしょう。
保育士と保護者の信頼関係
保護者は施設に直接申し込んでいるため、施設のことを理解しています。
保育の方針などを踏まえたうえで子どもを預けているので、保育士と保護者が信頼関係を築きやすいです。
また、保護者に対する支援が厚いためクレームも比較的少ないです。
保育士が認証保育園で働くデメリット
メリットがあれば残念ながらデメリットもあります。
デメリットと言っても保育士としての考え方によるものや、保護者・園児のためのポイントなど様々あります。
悪い部分から目を背けるわけにはいかないので、きちんとデメリットもご紹介します。
保育時間が長い
保育時間は認可施設ですと基本的に11時間なのですが、認証保育園は13時間以上と定められています。
仕事などで忙しい保護者にとっては非常にありがたい制度ですが、保育士の立場からすると少し大変です。
子どもと近い距離で長い時間接していたい人にはデメリットにはなりませんが、長時間の勤務になる可能性があるというのはマイナスに感じる人が多いと思います。
園によって待遇や労働条件も異なるので無理のない範囲で働ける施設を選びましょう。
施設によって異なる部分が多い
認証保育園は料金などの決定権がそれぞれにあるため、施設ごとに異なる点が多いです。
労働環境や保育の質など、働き始める前に少しでも把握するようにしましょう。
これは子どもを預ける保護者にも同様の事が言えますね。
研修が不十分
まだ歴史が浅い園が多いため、新人に対する研修制度が整っていない場合があります。
保育初心者やブランクのある人にはあまりオススメできないことが多いです。
あくまで傾向ですので、転職する際には研修制度についても確認しておきましょう。
キャリアアップが難しい
最終的に園長や主任を目指している場合は認可保育園の方が良いとされています。
なぜかというと、園長や主任の求人は保育士経験の年数条件があり、認証保育園よりも認可保育園の経験の方が有利になるからです。
将来的に役職を目指すのであれば認可園の方が良いでしょう。